【滋賀】International Open Data Day 2015 in Shiga / Biwako 当日レポート@びわ湖ホール

2月21日、大津市にある滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールで、「International Open Data Day 2015 in Shiga / Biwako」を開催しました。県内外から50名もの方が参加、日本有数のオペラ劇場で知られるびわ湖ホールの巨大なリハーサル室を贅沢に使い、実際にオープンデータに触れながら、様々な議論が行われました。

【イベント情報】
  • イベント名:International Open Data Day 2015 in Shiga / Biwako
  • 開催日時:2015年2月21日(土)11:00〜17:00
  • 会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール リハーサル室
  • 当日の参加者数:約50名
  • 主催:Code for Shiga / Biwako
  • 共催:大津商工会議所
  • 協力:守山ほたるパーク&ウォーク実行委員会、公益財団法人びわ湖ホール

滋賀でこの春行われる2つの大規模イベントをより便利にするサービスを、オープンデータでつくってみよう。

滋賀の International Open Data Day では、5月にびわ湖ホールほかで開催される「ラ・フォル・ジュルネ びわ湖2015」、そして5月末から守山市内で開催される「守山ほたるパーク&ウォーク」の両イベントを便利に楽しめるサービスを、クリエイターと市民が一緒になって開発するワークショップイベントを開催しました。

今回の開発イベントは、両イベントの情報を「オープンデータ」として公開することで実現するものです(各種プログラムの詳細情報などを CC-BY 4.0 ライセンスのもと、JSON-LD 形式で提供しました)。原作者から都度許諾を取る必要なく、自由にプログラムとしてそのデータを呼び出せることから、クリエイターは簡単にそのデータを活用して便利なサービスを生み出すことができるようになります。

そしてもちろん、実際につくったサービスはつくった人のもの。広告収入を得てもよし、有料販売してもよし、オープンソースとして公開するのもよし。開発者自身が提供するサービスとして、自由に育てていくことができます。

イベントに先駆け、テーマとなる2つのイベントサイトをオープンデータ(JSON-LD)対応

「ラ・フォル・ジュルネ びわ湖 2015」については主催者である公益財団法人びわ湖ホールが、同サイトの CMS で出力される各公演情報のページに /jsonld/ を追加すると同ページのデータを JSON-LD 形式で取得できるよう構築することで実現しました。

一方で「守山ほたるパーク&ウォーク」については主催者である同実行委員会が、2015年度用サイトを WordPress のプラグイン「WordPress Make JSON-LD Plugin」を使って構築することで実現しました。このプラグインは、2014年末に滋賀県内で有志のエンジニアによって行われた「湖岸でLOD公開に便利な仕組みを考える勉強会」などを通じて、参加者の一人が作り出したものです。

その結果公開された各々のオープンデータについては、下記ページにレファレンスを公開、2月21日のイベント告知とともに参加者への周知を行いました。

参加者のスキルに応じた3つのワークショップを実施

当日はこれらのオープンデータを活用してのワークショップを行ったわけですが、参加者も様々なスキルがあることを考慮し、スキルに応じて3つのワークショップを用意しました。

初心者向けプログラム:Idea Hack

初心者向けプログラム「Idea Hack」では、下記2つのプログラムとは異なり公開されたデータの内容や仕様は一切考慮せず、2つのイベントに対して「こういうサービスが生まれるといい」というアイデア出しを行い、「そのサービスにはどのようなデータが必要なのか、どうしればそのデータを揃えることができるのか」を考えるワークショップを行いました。

アイデア出しでは発想法の一種である「マンダラート」を活用、それぞれのイベントに関係するワードを個人毎に抽出してもらい、そのキーワードを頼りに、あったら便利なサービスの仕組みを「アイディアスケッチ」にまとめていきました。

それをもとに、どんなデータがあればそのアイデアを実現出来るのか、グループ討議をしながら「データ設計シート」へ記入しました。



中級者向けプログラム:Beginner’s Dev Camp

中級クラスでは「オープンデータを利用した簡単なアプリを作る」を目標に、オープンデータの取得方法や利用するプログラムの作成方法を学びました。

講習は配布されたテキストとファイルを使用して一緒に進めていき、プログラミング未経験者が多かったのですが、参加された全ての方がアプリを作成し、カスタマイズすることができました。

【ワークショップの概要】
  1. 配布ファイルを元に、ウェブアプリになるHTMLファイルを作成
  2. ウェブ上に公開されている、オープンデータのファイルの中身を見てみる
  3. HTMLにJavascriptプログラムを加え、「ラ・フォル・ジュルネ びわ湖 2015」のオープンデータを取得してコンサートを一覧表示する
  4. カスタマイズしてみる(区切り線を付け加える、表示項目を増やす、ランダムにおすすめコンサートを表示する、など)
  5. もう1つのHTMLファイルを作成し、「守山ほたるパーク&ウォーク」のオープンデータを取り込んで水辺百選を地図上に表示する
  6. カスタマイズしてみる(地図を夜バージョンにする、マーカーやフキダシを表示する、ホタルの画像を設定する、など)


上級者向けプログラム:Creative Hack

上級者向けプログラムは「Creative Hack」と題し、実際に開発技術を持った人たちが集まって、当日までに公開されたデータを使って各自もくもく作業しあうワークショップを行いました。

まず今回は2種類のイベントを取り扱っているため、どちらのイベントをテーマにサービスを作るかで、グループ分けを行いました。その上で公開されているデータから何ができるかアイデアを練り、そのアイデアを共有しながら各自開発を始めました。

時間が合計で3時間と限られていたこともあり、残念ながら間に合わなかった参加者も多くいたのですが、後日完成したサービスなどは追ってイベント主催者と共有、可能な限り主催者の広報を通じてイベント来場者に紹介していただくようお願いしていこうと思います。



アプリ開発(データの活用)と市民の要望(アイデア出し)との差異から、足りないデータが見えてくる。そのフィードバックで、データの精度を高めていく。

上級者向けプログラム「Creative Hack」では、限られたデータや時間のなかで、できることを模索してみたわけですが、実際にそのなかで生まれたウェブアプリをいくつか紹介します。他にもデモレベルまで完成したサービスもあり、もしその後完成・公開されれば、このページで追加紹介させていただきます。

docoiru 守山市のホタル情報を写真で共有するアプリ

ウェブアプリを開く

守山ほたるパーク&ウォークなび

  • 制作者:ヒデ@WP-kyoto
  • 種別:ウェブアプリ
  • URL:http://wp-kyoto.net/opendata/moriyama_hotal.html

ウェブアプリを開く

ちなみに中級者向けプログラム「Beginner’s Dev Camp」に参加した方からも、その後サービスを公開してみたという話を伺いました。下記ご紹介します。

Have a wonderful day – program

  • 制作者:Simple Teq Plus.
  • 種別:ウェブアプリ
  • URL:http://lfj-biwako.appspot.com/

ウェブアプリを開く

その一方、初心者向けプログラム「Idea Hack」からはこのようなアイデアと、それに必要なデータが洗い出されました。イベント当日に公開されていなかったデータを赤色の点線で引いてみました。こういったデータが公開されると、上記の Creative Hack で下記のようなサービスが生み出されるのかもしれません。

ほたるパーク&ウォーク サポートアプリ

  • 自動販売機・コンビニ・食べられる場所案内、トイレ、ゴミ箱、ベビーカー&車いすで見やすいポイント、駐車場状況
  • たのしむためのマナー案内も忘れずに!
・・・というサービスを実現するために必要なデータと、その公開方法

ほたるに合った音楽提供

  • 現地でうたわれていたわらべうた、仕事うた、ほたるのうた
  • 守山ホタルに合った音楽提供(夜っぽいもの)
  • 守山の魅力を描いた音楽、うたを作って公開する
・・・というサービスを実現するために必要なデータと、その公開方法

ほたる飛翔場所(ほたるはどのような場所に飛ぶのか)

  • 夜、飛翔場所にスマホをかざすと昼間の様子を見ることができる(昼間の写真・位置情報)
  • 飛翔数がわかる(できるだけ新しい飛翔状況)
  • 明日の飛翔予測(過去の飛翔状況の推移・天気予報)
・・・というサービスを実現するために必要なデータと、その公開方法

ラ・フォル・ジュルネ・コンシェルジュ

  • 好きな音楽、気分、TP0等、個人情報を登録しておく
  • キュレーションアプリで自分の欲しいイベント情報や音楽情報が配信される
  • イベント当日もリアルタイムで自分の欲しい情報(混雑状況等)を得られる
・・・というサービスを実現するために必要なデータと、その公開方法

今回のイベントでは「データからアイデアを考える」というアプローチと「アイデアからデータを考える」というアプローチの、2つのベクトルを同時に走らせてみることで、お互いの考え方を共有しあうという試みを行いました。

なかなか開発者だけの集まりでは「どういうサービスが便利なのか」がわからず、一方で開発技術を持たない人だけの集まりでは「どういうことが出来るのか」がわかりません。それを同じ場でお互いの成果物を見せ合うことによって、「こういうアイデアがウケるのか」「このデータからこういったことが出来るのか」などというイメージを掴むことができたのではと思います。



また、今回データを提供していただいたイベント主催者の皆さんとも、市民や開発者と同じテーブルで議論しあうことで、データ公開のあり方について一緒に考えてみることができました。

オープンデータはただ公開するだけでなく、開発などの活用の機会をつくることで、データの課題が見つかり、そのフィードバックを通じてデータの精度を高めていくことができます。今回のイベントから生まれたアイデアや開発者からの意見をイベント主催者にフィードバックすることで、滋賀でよりサービスを生み出しやすい環境を創出し、その結果私たちの生活が便利になっていくといいなと思います。

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